子供が集まるパン屋「ひつじ雲」ってどんなお店? 2019.6.3
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牛久新聞をやります!と手を挙げた際、
Facebookでいち早く
「子供が集まるパン屋さんがあるので是非!」
とコメントを頂いたのが今回の取材のキッカケ。
お店の近くには向台小学校と牛久南中学校。
そして、真裏が登校班の集合場所という
立地のパン屋さん。
駄菓子屋じゃあるまいし、子供が集まるって…
なんて事を思いつつ、
松村良寛さん・香代子さんご夫婦が営む
「パンの店 ひつじ雲」へ朝から取材を開始。
A.M.6:00 オープン
ひつじ雲のオープンは午前6時。
「おはようございます!!」と眠気を騙して
元気よく扉を開けると、あま~い香りに包まれた
店内には、既に焼き上がったパンがずらり!

キラ☆

キラリ☆☆

どー〜ーん!!!(º﹃º)
牛久新聞
今日はよろしくお願いします。

良寛さん
おはようございます。
朝はドタバタしていてすみません(完)

香代子さん
おはようございます^^(完)
牛久新聞
(ん??完って。。めっちゃ忙しい時に来ちゃってるね…。( ̄ー ̄;)
取材日は日曜日。休日で朝早いし、
ゆっくりお話しでも伺いながら撮影を…
なんて甘い考えでした。
戦場に遠足気分で来てしまったおじさんは
ポツリ。
邪魔だけはしない!しばらく声はかけない!!
と心に誓ったので、しばし、戦場の様子をどうぞ。




続々焼きあがるパン。
うんまそう〜!!!!


焼き上がった食パンを型から外す音が響くと、
合図が聞こえたかのように近所の方々が
続々と来店。そして、ここからまちのパン屋さんと
地域の人々との”繋がり”が映し出されていきます。
A.M.6:30 日曜日の親子


毎週日曜日にお母様と一緒にひつじ雲にご来店される親子のお客さん。散歩がてらの朝食選び。
A.M.7:00 ランナー

パンを買って、コーヒーを1杯。
ひつじ雲で”おはよう”代わりに軽く会話して、これから朝のランニング。
A.M.7:30 1日2枚、2日おきに1回。

4枚ぎりの食パンを買われるお客さん。
朝食は旦那様とご一緒にひつじ雲の食パン。
そう、1日2枚なので、次のご来店は火曜日。
いらっしゃらないと心配になっちゃうんですよと香代子さん。
A.M.8:00 同級生

大きな袋は、サッカー部の卒団式用の
シフォンケーキ。なんと!84人分!!
しかも、千葉の佐原からご来店。
実は、こちらのお客さん香代子さんの中学時代の同級生(香代子さんは千葉県佐倉市のご出身)。
当時同じ剣道部だったそうで、今でもこうして牛久までパンを買いに来る仲。
香代子さんってどんな人でした?と伺うと、
「昔っからあの感じ(笑)。看板のイラストは中学時代に書いていた絵と一緒。年賀状には、いっつもこのイラスト描いてくれましたよ(^^)」
と同級生ならではの情報をゲット。


可愛いイラストは全て香代子さん作。
A.M.8:30 ナナとペコ
怒涛のオープン直後が過ぎ、
ほんの少し落ち着き始めた店内。
ここでちょっとお話しのつもりが、
意外な展開へ、、、。
牛久新聞
いや〜、朝から結構いらっしゃいますねお客さん。
同級生までなんてビックリしましたよ。
香代子さん
夏なんて明るくなるの早いじゃないですか。
そうすると、オープンの少し前でも
お客さんがいらっしゃるので、
夏の朝6時台は気が抜けないです(笑)
良寛さん
ペットの散歩と一緒に来るお客さんも
いらっしゃいますしね。
あっ、そうそう、ウチのパンの耳を
食べに来る犬もいます(笑)
香代子さん
そうなんです。
そのワンちゃんとウチの娘がシーバに載って。
牛久新聞
シーバ????
香代子さん
柴犬ばかりを取り上げる雑誌があるんですよ。
牛久新聞
”シーバ(柴)”ってタイトルは
そーいうことですか。
香代子さん
うちは、子供が3姉妹なんですけど、その雑誌に
お客さんのワンちゃんと娘が掲載されて。
ひつじ雲のパンの耳が好きなナナっていう柴犬で。
牛久新聞
ナナちゃん、今日来ないですかね…。
香代子さん
すぐそこなんで呼んで来ますよ。
ちょっと待って下さい。
牛久新聞
えっ?えっ??
香代子さん?いづこえ・・・。
良寛さん
行っちゃいましたね^^
ウチは職業柄、ペットは飼えないんですよ。
毛がパンについてもいけないですからね。
でも、娘達は動物好きなので。
それで、ナナを凄く可愛がっているんですよ。
しばらくすると、香代子さんが、、、

香代子さん
来ます、ナナちゃん(o^^o)
すると、、、、

ナナご来店

そして、飼い主の村本さん。
さらに・・・

なんかいる!!!!!

マフラー。いや、猫!!!
牛久新聞
はじめまして。すいません、わがまま言って。
ひつじ雲のパンの耳が好きな犬がいるって聞いて
会いたくて。
村本さん
いえいえ、大丈夫ですよ(笑)
牛久新聞
ただ、ナナちゃんより、
そのマフラーじゃなくて、、、
猫ちゃんが気になります。
村本さん
ペコです。
ペコは、車に引かれて怪我していたところを
助けられたんです。
その助けた人がひつじ雲のお客さんだったん
ですよ。それで、飼いませんか?って香代子さん
から相談を受けて。
牛久新聞
で??
村本さん
いいですよって。
牛久新聞
はや!
村本さん
元々動物が好きなので。
でも、こうしてペコを可愛がると、
ナナが嫉妬するんですよね(笑)
ほら、こうやって。

嫉妬の目
牛久新聞
そんな目しないで。。。

次女、成美ちゃん
成美ちゃん
おはようございます^^
牛久新聞
おはよう!成美ちゃんがナナにパンの耳あげるの?
成美ちゃん
うん^^。持って来るね。


村本さん
朝ごはんも食べてきたんですけどね。
ここのパンが大好きで。
牛久新聞
ナナの飼い主みたいじゃん!!仲よくて^^
ペット飼えなくても寂しくないね。
成美ちゃん
うん。
牛久新聞
ちなみに、猫のペコは?
成美ちゃん
好き♡


猫のペコを引き取った理由の1つに、もしかしたら成美ちゃんが動物に触れる機会が増えればという村本さんの優しさがあったのかもしれないなあ〜。

パン作りのきっかけは、母の手作りパン
牛久新聞
良寛さんの産まれは、牛久ですか?
良寛さん
産まれは金沢です。
僕が4歳の時に牛久に引っ越してきました、
すぐそこの7丁目に。
幼稚園はフレンドです(笑)
牛久新聞
じゃあ、牛久っ子ですね。
小さい頃からの夢がパン職人だったんですか?
良寛さん
いやいや。
牛久新聞
だとすると、どんなキッカケで??
良寛さん
普通に大学行って、就職活動していたんですけど
なかなか受からず、、、。
その時に電車の中吊り広告で「東京製菓学校」の
募集を見たんですよ。
で、そのまま入学説明会に行きました。
牛久新聞
なるほど。ってなるかい!!
えっ?広告を見たその日に入学説明会ですか?
良寛さん
そうです。
なんでそうなったって考えると、子供の頃に母親が
パンをホームベーカリーで作っていたんですね。
他の家は山崎製パンとか食べているのに、ウチは母親が作ってくれたパンを食べて育ったんですよ。
そういうのが根底にあったのかなあと思うんですよね。
牛久新聞
僕の小さい時も「ひつじ雲」みたいなパン屋が近所になかったので、やっぱりスーパーのパンが日常でした。でも、良寛さんはお母さんのパンが日常だったんですね。
良寛さん
はい。それでパン作ってみようかなと
なったんだと思うんです。直感的に。
牛久新聞
素敵なストーリーでズルイ(笑)
良寛さん
1年間東京製菓学校に通って、卒業後に千葉県佐倉市の「ゆめこうじょう」っていうお店に就職したんですよ。そこで妻とも出会ってf^_^;

出会った当時のお二人。
良寛さんのFacebookのプロフィール画像は今でもこの写真。そこには初心を忘れないといった思いが隠されている。
牛久新聞
あらやだ♡。仕事場が一緒だったんですね。
長いお付き合いですね。
佐倉のお店を辞めた後に、いよいよ牛久で独立って事ですか?
良寛さん
いや、佐倉は23~28歳まで勤務して辞めました。
その後、船橋のPOMPADOUR(ポンパドウル)に行っ
たんですけど、つくば店が出来て移動になって。
独立するまでつくばで働いていました。
牛久新聞
その頃は、もうご結婚はされていたんですか?
良寛さん
そう。もう25歳で結婚しているんで。
牛久新聞
ってことは、、
佐倉のお店で職場内恋愛からのーーー、
職場内結婚!!
良寛さん
違いますよ(笑)。
もうその頃にはうちのは辞めていたので。
牛久新聞
こちらのお店を建てたのはいつぐらいですか?
良寛さん
6年前ぐらいですね。

牛久新聞
こちらを建ててすぐにオープンではなく?
良寛さん
ひつじ雲は、3年前ですね。
牛久新聞
まだ独立はしないけど、このお店の作りで6年前に建てたってことですか?
良寛さん
そうそう。
最初コンクリートだけで、あとは器具置けば出来る状態で。
牛久新聞
建てられた当時のこの辺りの環境は?
新しい家が多い気がするのですが。
良寛さん
はい、当時はまだこの辺は森でした 笑。
今とは全然違いますね。
まだこんなに家がなくて。
ちなみに目の前の赤いレンガの家が3つ上の先輩で、
そこが1つ下、あっちが1つ上の先輩の家です(笑)
牛久新聞
開店当初、今のように家が無いわけですよね?
お客さんが来るか不安はなかったですか??
良寛さん
確かにそれはありました。
でも、何となく表通りでやりたくなくて
牛久新聞
なぜ、なぜ、なぜ???
良寛さん
なんだろう・・・。
なんか感じるものがあるというか。。
1つ脇道に入った方が、僕は良いような気がしたんですよね。
牛久新聞
最初からご近所のお客さんや、学校からの注文があったわけでは無いんですね。
良寛さん
最初の年なんて、幼稚園とか小学校からの注文なんて無かったですよ。
2年目ぐらいから徐々に増えてきて。

3月のカレンダー。
「卒団式」や「離任式」といった文字が。
今では”ご近所”からの注文がこんなにも。
牛久新聞
何かキッカケだったんですか?
良寛さん
自分の子供の同級生や、そのお兄ちゃんお姉ちゃん
が繋がっていった事が大きいですかね。
牛久新聞
地域との繋がりができる事で、学校や子供会から
注文を頂くってなんだかとっても素敵ですね。
P.M.2:00 おつかい



食パンのおつかい。ひつじ雲は近所の子供の「はじめてのおつかい」の場によく選ばれるそうだ。
それは近所のスーパーより、よく知るお二人がいるお店の方が安心だからといった理由で。
子供達がまずは超えなければいけないおつかいの壁。
P.M.3:00 普通に友達登場

遊ぶメンバーが足りないからということで、長女のいっちゃんを誘いに来たカレーパンが1番好きだという同級生。今の子は、女子も男子も関係なく遊びの誘いに来るという光景を目の当たりにして、時代が変わったなぁ〜、、、と実感。

2人のキャラクターと役割分担
牛久新聞
香代子さんって、明るくてお客様と接するのがお上手ですよね。
良寛さん
2人でよく言うのが、
僕が”根暗なポジティブ”で、
妻が”明るいネガティブ”。
牛久新聞
最高!!!
お互いのマイナスを補っているじゃないですか!
職場で出会った際は、”根暗なポジティブ”から
アタックしたんですか?
良寛さん
してないですww
牛久新聞
んじゃ、”明るいネガティブ”側から??
良寛さん
いや、そうでも無いですね。自然にです(#^.^#)
牛久新聞
失礼しました。。
でも、今日の取材中の印象は、元気で笑顔の香代子さんのイメージが強いですが、実はそうじゃないと。落ち込んだりするのは、香代子さんなんですね。そして、それを支えるのが良寛さん!
良寛さん
いや、支えられないです^^
妻はホントにネガティブなんですよ、
見えないけど。
牛久新聞
確かに見えないです。
今日は落ち込んでなかったですか?
良寛さん
今日は大丈夫(笑)
でも、昨日は、、、。
さっき、佐原からきたお客さん…。
牛久新聞
あっ!!香代子さんの剣道部の同級生!
良寛さん
そうそう。
シフォンケーキをたくさん予約して
頂いたんですけど、失敗しちゃって…。
大変でした^^
7つぐらい焼いたんですけど、
全部同じ大きさじゃないとダメなんですね、妻は。
僕なんか、これぐらいならいいじゃんって思う程の
違いなんですけどね。
牛久新聞
2人の思いが違うとケンカになりませんか?
良寛さん
なりますよ、しょっちゅうです 笑。
なので、納得するまで作らせますよ。
牛久新聞
香代子さんとの仕事の分担ってあるんですか?
良寛さん
僕がパンで、妻が焼き菓子ですね。
僕、お菓子全然出来ないんで…。
でも、妻はパンが作れるので。
だから、「パンやらせろ!」って
ケンカになるんですよ(笑)

牛久新聞
ですよね~(笑)
仕事のお時間は?朝とか??
良寛さん
僕が2時起きで、妻が4時ですね。
牛久新聞
まさに、朝のニュース番組のアナウンサー!!!
その時間に起きて仕事となると、3姉妹の子育ては大変じゃないですか?
良寛さん
そーですね。オープンしたばかりの時は、妻が
起きる4時に子供も一緒に起きちゃう事があって。
だから、あやしながら店の準備してましたね。
その時は大変でしたけど、今は起きて来なくなったので。
牛久新聞
学校行事もなかなか参加出来なかったりしますか?
良寛さん
授業参観なんかは、ちょっと仕事を抜けて参加したり。それでも、最初から最後までは見られないので、少し妻は不満がありますよね。
妻はそういうのに出来るだけ参加してあげたいと思っているので。
行かせてあげれらないっていうはありますね。。。
P.M.3:30 熱狂的なファン

兄、ファン1号。真っ先に元横綱の”稀勢の里ぱん”ゲット!

弟、ファン2号&2号。ファン1号の弟2人は双子。
何とサンタクロースにひつじ雲のあんぱんをお願いした程の熱狂的ファン(^^)

3人のお母さんは取材日翌日から教職に復帰!!
ならば記念をと写真撮影を依頼。
お兄ちゃんパンの持ち方完璧!でも…若干1名は写真よりパンが大事(笑)。

ひつじ雲のテーマソング
牛久新聞
いや〜、ホントに色々なお客さんが
いらっしゃいますね。
しかも、皆さんがお話してから帰っていきますね。
あっ、ところで、、
ちょっと気になっていたんですけど。
朝から流れる、このBGM…。
良寛さん
BAWDIES(ボウディーズ)です。
牛久新聞
なかなかロケンローだなとずっと思って
聞いていました。何故??
良寛さん
僕がPOMPADOURで働いていた時に車通勤だったので、
後輩になんかいいCDない?って聞いて貸してくれたのがBAWDIESだったんですよ。
それでスゲーはまっちゃって。
最初は僕だけ聞いていたんですけど、なんか家族巻き込んで好きになっちゃって。
牛久新聞
じゃあ、今ではひつじ雲のテーマソングですね。
良寛さん
そうですね。
BAWDIES来て欲しいですよ、店に。
芸能人知り合いにいません??
牛久新聞
いや、いないっす。。。(^_^;)
(今日イチのテンションかも!パンよりBAWDIES愛強し!!)
良寛さん
BAWDIESに繋がらないですかね。。
牛久新聞
可能性はゼロでは無いですよね、その気持ちを発信し続ければ、、、。

良寛さん
ちゃんとJASRACにも登録しているので、
安心して流し放題です、BAWDIES!!
結構キツイ仕事だけど、BAWDIESのライブに行くのを楽しみ頑張れるんです。
牛久新聞
ライブは、お一人で?
良寛さん
いや、家族で。
牛久新聞
いーーですねーーー!!!!
(なんだかこっちもテンション上がってきた)
最近は?
良寛さん
今年の1月に、武道館行きました^^
牛久新聞
それにしても、3姉妹までハマるって、
松村家の血にハマったということですね。
良寛さん
ですね。たま~に、ヒーリング系の音楽に変える
事もあるんですけど、やっぱりダメなんですよ。
やる気が違うんですよね~^^

これかれの「ひつじ雲」
牛久新聞
今後こんなお店にしていきたいなんて
思いはありますか?
良寛さん
規模を大きくしたいというのは
そんなにないんですよ。。
なんだろう、難しいな。
このスタイルを長く続けられるといいな。
工房は大きくしたいけど、お客さんとのこの距離感は変えたくなくて。
香代子さん
こんなに早く皆さんに受け入れていただけると思っていなかったです。
本当にありがたいです(嬉)
良寛さん
お会計して終わりじゃなくて、お客さんと会話をする中で、新しい商品のヒントも出て来たりするので、この距離感が「ひつじ雲」のスタイルなのかなと感じています。
香代子さん
お客さん帰られないですよ、5時間とか(笑)
牛久新聞
なるほど、、、って、
5時間!!!!
香代子さん
朝の9時にいらして、14時30分までとかね^^
良寛さん
それがこれに繋がってるんですよ。
カフェになっちゃうんでね(笑)

仕方なく、、、コーヒーは1杯まで。
ひつじ雲で1日を過ごしていると、
このお店がパン屋以外の機能をこの街で
持ち始めている事に気が付く。
人と人が繋がる不思議な空間。
一体このパン屋は…などと考えていると、
香代子さんからいくつかのエピソードが…。
香代子さん
ついこの間も、離任式を終えた小学校の先生が
寄って下さったんですよ。
その時も、何人集まっただろう?子供達。
この写真みてください!
香代子さんに見せて貰った1枚の写真。
みなさん何を感じますか?

香代子さん
子供達は先生が来ることを知らずに、店の周りに集まっていたんですよ。
そこに、先生が最後にパンを買いに寄って下さって。
そしたら、それに気が付いた子供達がファンクラブの様に集まって、そのうち、外でカレーパンとか食べながら、先生と話はじめて。
最後先生が帰るって言ったら、子供達が名残惜しくなったみたいで、先生の事を追い駆け出して^^
牛久新聞
涙。
香代子さん
バレンタインデーの時も子供達が集まって、告白の場所になっちゃったり(笑)
あと、ただ単位を取りに向台小学校に教育実習に来ていた大学生がいたんですよ。
先生になるつもりはなく、卒業の為の単位取得で。
その大学生、ご実家がすぐ近くなのでよくパンを買いに来てくれて。
そーしたら、子供達にとっては先生だから先生がいる!!って事で自然と集まって来て。
それを繰り返していたら、こんなに慕ってくれるなら、「僕、教師になります!」って決断されて。
大学は、牛久じゃなくて遠いんですよ。
ご実家が牛久なだけで。
1ヶ月経ったら、教師になって向台小学校で先生になれる様に頑張りますって。
牛久新聞
えっ!?教師に就く予定は無かったけど、
ここで決断されたって事ですか?
香代子さん
そうなんです^^
それとか、マラソン好きのお客さんがいて。
土日の朝に、「牛久走友会」っていうマラソン仲間の集団で初めはいらしてくれて。
でも、2年ぐらいしたら2人で来るようになって。
牛久新聞
デカ長、怪しいっす!!
香代子さん
その頃からお付き合いが始まっていたようなんですね。それでこの間、婚姻届を出しに行く前に寄ってくれたんですよ、朝7時に。
これから牛久市役所に走って行くって。
でも、まだ誰にも言ってないっていうので、えっ!?うちが最初でいいんですかってビックリしちゃって(笑)

入籍当日報告に来たお客さん
牛久新聞
なんだか不思議なお店ですよね。
香代子さん
他のパン屋さんのスタイルがわからないんですが、
少なくとも私が働いた事ある店では、こんな繋がりはあまり無かったですね。

牛久新聞
ちなみに、「ひつじ雲」の由来は??
良寛さん
友達と3人で名前を考えていたんですよ。
最初は、フランス語で考えていたんですけど、
ル・パン・ヴィラージュとか。
パンがフランス語で”松”なんですね。
なので、ヴィラージュの”村”を付けて「松村」
になるじゃないですか?
牛久新聞
・・・なるほど!(ダサ笑)
香代子さん
で、オープン準備している時に、
小学生と「何が出来るの~?」って聞かれて。
「パン屋だよ~」、「名前は~?」って話をして、
“ル・パン・ヴィラージュ”って答えたら、
ハア??って言われて(笑)
で、日本語でパン屋さんらしい名前って考えたら、
友達が「ひつじ雲」って付けてくれて。
牛久新聞
すごくいい!!
なんでだろ、パンをイメージ出来る!
香代子さん
出来ますか?
牛久新聞
はい。なんだろ、フワフワ感でしょうね。
香代子さん
最初はおしゃれな横文字が良かったので、
ブーランジェリーとか、ベッカライとか。
牛久新聞
・・・・。
香代子さん
でも、友達が絶対「ひつじ雲」がいい!って
押してくれて。
牛久新聞
友達天才!

人を繋ぐ素朴で穏やかな空間。
今回の取材中にパン作りについても
いくつかお話を伺った。
牛久産の小麦を使った食パン作りや、
人気のカレーパン。
お客さんのリクエストに答えて、
試行錯誤して作るパン。
しかし、あえてその辺りの話はカットしました。
それほど、この「ひつじ雲」を中心に描かれる
人間模様が素敵だったからです。
良寛さん・香代子さんは何ででしょうね?
などと仰っていましたが、取材を通じて伝わって
来たおふたりの素朴な優しさ。




忙しい中、パン作りの手を止めてお客さんと
少しでも会話をする思い。
店内には、香代子さんの手書きの
メッセージや手作り新聞。
一つひとつの優しさが穏やか空間を
作り上げている。
そして、それが伝わり少しずつ人が繋がる事で
出来た不思議な店「ひつじ雲」。
この素朴で穏やかな空間は、子供達が一番敏感に
感じ取っているのかもしれない。
良寛さんがこの仕事を選んだキッカケが母親が作る
パンであった様に、今この場に集まる子供達が
大人になってパンの香りをかいだ時には、
「ひつじ雲」で過ごしたある1日を思い出すだろう。
それはきっと、まちの小さなパン屋の
ちいさな優しさに気が付く事なんだと思う。
忘れがちだけど、大切な事。
何かとても良質な映画を見終えた様な、
そんな素敵な1日となった。

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パンの店 ひつじ雲
茨城県牛久市牛久町1226−1
029-879-5076
営業時間 6:00〜18:00 月曜・第3日曜 休み
