自家栽培の新鮮野菜で提供するランチが魅力の「一華庵」。手間を惜しまないそれは、まさに”自然食”。 2019.8.19
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あぢ〜〜(汗)
夏です。暑いです。。毎日。。。
冷房の効いた部屋でグータラしそうになりますが、
ここは気合いを入れて取材へGO!
今回は牛久駅から少し離れて、
岡見まで足を伸ばしてみました。
取材させていただくのは、
岡見で自然食「一華庵」を営む
金子君代さん。
実は今回の取材が実現するまでには、
ほんの少し時間がかかっていまして。
というのも、「一華庵」は君代さんお一人で
切り盛りしているお店。
牛久新聞というなんだかわからないメディアへ
露出する事がどんな影響を及ぼすか未知数であった為、
君代さんには戸惑いがあったのです。
「誰も見ませんから!」なんてよくわからない
口説き文句でその不安が払拭する
事は勿論なく、何度かお店に通ってお話をして、
少しですが信用を得て、
今回取材をさせて頂ける事になりました。

朝の仕事は”仕入れ”から
牛久新聞
今日はよろしくお願いしま〜す。
早速、”あの場所”から取材させて下さい。
君代さん
今日はよろしくお願いしますね。
はい、はい。じゃあ、行きましょうか^^。
長靴に履き替えて裏から出るから、そっちで待っててね。
そう言って、店のすぐ裏へ。
ここに何があるかと言うと…
そう、お店の裏には君代さんが自家栽培をする
畑があるのです。
この畑で作られた新鮮・採れたて野菜を使った
料理が提供されるのがこの「一華庵」の魅力。
だからこそ、まずはこの場所を絶対におさえて
おきたかったという訳なんですよ。
では、朝の仕入れにレッツラゴーと行きますか!



はい、茄子
そう言ってポーズを取る君代さんがとっても可愛らしい。
茄子、ゴーヤ、オクラ…立派に、
そして色鮮やかに育った旬の夏野菜達が
賑やかな畑。
毎年失敗を繰り返しならがら色々チャレンジして
いるらしく、今年は落花生に挑戦中。
はい、この通り順調に立派に育っています。
それにしても、デカイのですよ畑が!

牛久新聞
これだけの大きさの畑を管理するのは大変ですよね?
君代さん
大変(笑)。
スコップと剪定バサミなんて何処か落としたきりわからなくなっちゃって。
きっとその辺に埋まっていると思うよ(笑)
まぁ〜草も生えるし、なかなか全部を管理するのは大変だけど、自分で育てた野菜を出来る範囲でお客さんに提供したくてね。
牛久新聞
こっちの唐辛子も綺麗ですね〜!
君代さん
唐辛子は料理でよく使うからね。これも作っているんだよ。



実は根っからの江戸っ子
牛久新聞
畑で野菜作って、お店やって、凄い!
君代さんお元気すぎ!!お幾つになられるんですか?
君代さん
もうあれよ…。
免許の高齢者講習受ける歳。
75歳^^
牛久新聞
お元気!若い!!!
君代さん
若いって、ぬっハハハハ〜。
牛久新聞
ご出身は、どちらなんですか?牛久??
君代さん
葛飾柴又なのよ、生まれも育ちも。
牛久新聞
このチャキチャキ元気感は、血だったんですね江戸っ子の!
葛飾を出られたのは、ご結婚ですか?
君代さん
そう。25歳の時に名古屋の人と知り合って、そっちに行ったのよ。
えっ!?牛久からさらに遠い・・・。
これは歴史がありそうです。
興味津々の僕は失礼を承知で突っ込みます!
牛久新聞
名古屋にはどれぐらいいらっしゃったんですか?
君代さん
15年いたんだけど、一人で子供を育てて・・・。
牛久新聞
・・・?
一人??
君代さん
旦那を事故で亡くしてね。
牛久新聞
そうだったんですね。
君代さん
20代後半かな、事故に遭ったのは。
牛久新聞
ご結婚されてすぐですね・・・。
名古屋で始まった新しい生活に突如として訪れた
不慮の事故。
お子さんと残された君代さんは、
故郷の葛飾へ戻ることに。
しかし、そこで感じたのは…。

君代さん
葛飾に戻ってきたんだけど。。。
人間って不思議よね。
名古屋で暮らしてしまうと、戻ってきても自分の居場所が無いように感じてしまって。
子供の頃ワイワイ暮らしていた場所じゃなくて、自分が居ない事を前提に家族が成立している感じ。
牛久新聞
なんとなくわかる気がします。
君代さん
それで、親族が大宮に土地を持っていたからそこに引っ越す事にしたの。
でも、一人で生活していると気持ち的に少し弱ってしまってね。
そんな状況の時に、妹が森の里に住んでいて遊びに行ったのよ。
牛久新聞
いよいよ!来ましたね、茨城!!
君代さん
で、その時にたまたま刈谷団地の土地の抽選をやっていて。
妹に見に行って見ればって言われてさ。
土地の抽選に申し込んだよ、何気なく。
牛久新聞
ガラガラポンの結果は?
君代さん
当選(笑)
それで、牛久に来たの。
牛久新聞
( ̄□ ̄;)!!
なんだかスゲーーーー歴史。
“自然食”の原点は茶道
いよいよ牛久での生活がスタートした君代さん。
学生時代から茶道を学んでいた事をキッカケに、
刈谷の自宅はお茶会が出来るような間取りで建て、
実際に茶道仲間や先生を呼んで
お茶会も開催していたそうで。
そんな中、しばらくするとお茶の先生から
裏方で食事を作ってみてはどうかと提案され、
何とな〜くやってみようと思った君代さん。
本を買い込み見よう見まねで料理の勉強を
始めたところとある出来事が、、、。
それは、「新聞広告を出さないか?」
のちょっとした出来事…。
君代さん
「美味いもの食べ歩き」みたいな新聞の連載があったのよ。
で、市役所から紹介されたって言って、来たのよ取材の人が。
でも、勉強始めたばかりでしょ。だから一年ぐらい後にしていただけないかって話したの。
そしたら、記者の人が一年後には転勤だから今どうですかって。
それで載せたの。
牛久新聞
反響は??
君代さん
あったのよ。混んじゃって。
新聞には、”お茶室もあります”なんて書いちゃったから、お茶の人も来るし、食事だけの人も来るしで忙しくなってね。
結果、ご近所迷惑だし移動する事になってしまったの。
牛久新聞
それでこの岡見の場所に落ち着いたんですね!
君代さん
そう。だからそもそもこのお店もお茶会を出来る作りになっているの。
刈谷から移動してきた後も、お茶会を頻繁にやっていたのよ。
牛久新聞
なるほど!
それで入り口のお部屋には水道が付いているんですね!


君代さん
そう^^。
あそこは小間(こま)ね。
四畳半以下の部屋を”小間”、
四畳半以上を”広間”って言うのよ。
牛久新聞
ということは、茶道やっている人はすぐわかる訳ですね、この店の作りを見て。
君代さん
そこに木の魚が吊ってあるでしょ?
あれは鳴り物って言ってね、茶事の時に準備が出来たら鳴らす為のものなの。
元はお寺で食事の準備が出来たり、時刻を知らせたりする時に鳴らして使われていたものなんだよ。

牛久新聞
「一華庵」を理解してきました!!!
自然食というのもお茶会で提供していた食事があったからこそなんですね。
君代さん
そうなの。
この店名もお茶を習いに五反田の了真寺に通っていた時、お店やるって相談したら、そこの奥さんが「一華庵」って付けてくれたのよ。



牛久新聞
さらに納得!!
人に歴史あり、店に歴史あり!!!
採れたて野菜のランチ
現在の一華庵は、ランチのみ営業。
採れたて野菜を使った君代さんお任せ料理。
はい、待ってました〜!これです「一華庵」の魅了は。
一品一品は飾らない料理だけど、
シンプルイズベエ〜スト。

まずは、茄子とゴーヤの田楽。
勿論、裏の畑で採れた新鮮野菜!

かぼちゃの煮物。はい、これも自家製かぼちゃ。

旬の夏野菜茄子でもう一品、おひたし。
今年は上手く出来たとおっしゃる通り、みずみずしくあっさりとした味わいが
たまらない^^。

サラダも新鮮。もうお分かりですね。こちらも自家栽培。

そして、冬瓜とオクラの味噌汁。
朝の”仕入れ”の答え合わせのように、
さっき畑で採ったばかりの野菜が
これでもかのオンパレード。
“素朴”な料理は若い人には物足りなさが
あるかもしれない。
しかし、その料理のほとんどの素材を自ら作り
提供している君代さんの思いは食べる事で感じる事が出来はず。
そんな店は今時なかなか無いから。
一華庵スタイル


お店に初めて伺って時、奥のキッチンから
ほっかぶりをして「いらっしゃい」と迎えてくれる
その姿と、店内を通り抜ける心地良い風が
おばあちゃんの家に遊びに来たかのような
懐かしさを感じさせてくれた。
2回目、3回目と足を運ぶと、「ご飯のお代わりは?」、
「味噌汁よりカレースープがいい?」なんて気にかけて下さる。
君代さん
今出来る範囲で素材から料理までの提供をしていきたのよ。
なるだけ手抜きをしたく無いの。わかっちゃうから。
もうこの歳だから自分が食べていけるだけ稼げればね。
無職なんてやる事無い方が辛いじゃない(笑)。
お客さんが少なくても多くても、一生懸命やる事が大切よ。
納得。僕もこの「一華庵スタイル」にハマった一人。
だからこそ、君代さんが取材を受けてもいいよと仰ってくださるまで待った。(あの、ホントまだまだ影響力ないっすけど。。。)
君代さんの姿を写真に撮ると、そのシンプルな生き方が滲み出ていて尚更、納得。

畑と生きる
失敗を繰り返して、試行錯誤して、
31年目でようやく畑の事がわかってきたと
楽しそうに語る君代さん。
秋は京芋を育てるそうなので
またこれも楽しみ(^_^)
取材の最後にはこんな言葉を・・・
「”畑”と”生きる”って事は繋がっているよ」


最後に僕からも一言、君代さんお肌がピッチピチ!!
あっ、あとお得な情報聞きましたよ。
お茶の道具や食器をいつまでも持っていてもしょうがないから、フリーマーケットを開催して、必要な方に使っていただきたいそうです。
年内に出来ればいいかな、、、なんて言っていたので、その際は、
牛久新聞でも告知させていただくので、皆さん是非!!!
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自然食 一華庵
茨城県牛久市岡見町2395
029-872-3315
営業時間 11:30〜15:00 月曜休み
