牛久新聞は牛久の粋な情報を発信するWEBマガジンです。

なんと牛久にワインとビールの醸造場が出来るって!?

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みなさ〜ん、お元気ですか?
時が経つのが早いのは歳なのか、
はたまた毎日が充実しているからなのか、、、
実は、みんなが明るく前向きになるような記事を
最後に書きたいなぁ〜と、
ず〜っと考えていたらあっという間に時間が
過ぎてしまいました。
しかし、出会いは突然やって来るものです。
ある日、Facebookのタイムラインに
『麦と葡萄 牛久醸造場』の名が。
よく見ると、牛久でワインとビールの醸造場を
準備しているという投稿。
そうなんです、牛久で新規事業をはじめるという
なんとも嬉しい明るい
ニュース!という事で早速取材交渉。

取材の申し込みをしたのが、3月中旬。
快く受け入れていただき、まずは顔合わせ。
会ってビックリ、なんか見た事あるぞ!!!
昨年の6月、阪田ストアーさんを取材した際に
牛久シャトーがいつ復活してもいいようにと
駐車場の一角の小さな葡萄畑を手入れしていた
お方ではないですか!
あの日以来ずっとお話を聞きたかった
愛しの人ではないですか!!
こんな偶然が最後にやって来るなんて(涙)

気合を入れていよいよ取材を…と思った矢先に、
新型コロナウイルス対策の
特別措置法に基づく緊急事態宣言が、、、。
それから世の中が180度変わってしまった毎日。。
(皆んなよく頑張ったよね本当に)
そして、5月14日。茨城県を含む39県での
緊急事態宣言解除を受けて
ようやく取材がスタート。
今回ご登場いただくのは、
『麦と葡萄 牛久醸造場』を立ち上げた角井さん。
胸がワクワクする情報がたっぷりあるのでお楽しみ下さい!

牛久新聞
コロナの影響はどうですか?

角井さん
飲食店さんが止まっているので、、、ね。
売り上げはないですね。。

牛久新聞
そもそもなのですが、
今、販売している商品って
どういったラインナップなのですか?

角井さん
ワインに関しては今は委託で醸造してもらっています。
ビールはこれから6月頭ぐらいにかけて、
仲間の醸造所とコラボでその仲間の醸造所で
仕込ませて貰ったビールを
販売する予定です。

牛久新聞
うむ。わからないので教えて下さい(笑)
委託醸造って何ですか??

角井さん
農家さんから葡萄を買って仲間の醸造所で
ワインにして貰って、そのワインを僕が買って
僕たちのブランドとして販売するのが委託醸造ですね。

牛久新聞
な・る・ほ・ど!!

角井さん
今、僕らには自分達の葡萄がないので、
農家さんから葡萄を買わせていただき
農家さんと共にワインをつくり上げています。

牛久新聞
という事は、、、
今後は農家さんからの仕入れに加え、
自分の畑で作った葡萄も使ったワイン造りが
はじまるのですね。

角井さん
そうですね。
今年から自分達の醸造所も出来るので、
醸造も委託ではなく自社でやります。

オレンジの樽は1000ℓのワイン用樽

牛久新聞
納得!!続いてビールですが。

角井さん
今やっているビールは委託ではなく
コラボレーションブリューといって、
友人の醸造所とのWネームで作っているやり方です。
どんな麦芽を使って、どんなホップを使って、
どんな酵母を使ってといった感じで。
それをレシピを組むっていうんですけど、
そのレシピを一緒に作っています。

牛久新聞
旨そう・・(º﹃º)。
そのビールってどうやって購入出来るんですか?

角井さん
今、Yahooショッピングで準備しているところなんです。

※6月21日にオンラインショップオープン!
https://store.shopping.yahoo.co.jp/mugitobudou/

そして・・・

ついに、

7月3日に店舗がオープン!!!

飲めるぞ〜^^

※店舗営業時間 12:00〜18:00 (7月は金・土・日営業)

牛久に葡萄畑が復活

牛久新聞
この畑はどれぐらいの広さですか?

角井さん
五反ぐらいですね。

牛久新聞
何月ぐらいから畑の着手を?

角井さん
2月後半ぐらいですね。

牛久新聞
どーいったきっかけでこの畑を?

角井さん
知人の紹介でこの畑の持ち主を紹介して
貰って貸していただける事になりました。
元々は落花生畑だったんですよ。

牛久新聞
へー。今後のスケジュールは?
コロナは畑作業は影響無しですよね?

角井さん
そうですね。
苗木を植え終わって、もう苗木の葉っぱが
出だしているので育つのみですね。

牛久新聞
って事はですよ。この苗木が育って、
葡萄、そしてワインとなるのは??

角井さん
早くて来年。遅くて再来年ですね。
大体3年ぐらいかかるので。
今年が1年目。来年2年。再来年で3年ですね。
でも、2年目も場合によっては収穫出来るので。

牛久新聞
収穫出来れば、ワインはその年に出来るのですか?

角井さん
ワインは葡萄の収穫をすればすぐ出来ます。
ただ、楽しみ方が様々なのでワインは。
ヌーボーのように新酒として楽しむ場合はその年に。
樽熟成させて数年後に楽しむ事も出来るので、
その場合は熟成年数によりますね。

醸造家を目指して

牛久新聞
角井さんは元々、牛久シャトーにお勤めだったんですよね。

角井さん
牛久シャトーで15年ぐらい醸造をしていました。

牛久新聞
ご出身は??

角井さん
兵庫県です。
就職で牛久シャトーの経営母体となる
合同酒精に就職しました。

牛久新聞
お酒が好きだったんですか?

角井さん
お酒造りをしたかったんです。

牛久新聞
学生時代は何を飲んでましたか?

角井さん
学生時代はビールですね。

牛久新聞
どこ派ですか?

角井さん
特にないですね。笑
クラフトビールでなくて、
大手メーカーのビールを飲んでいましたよ。
どこも好きですよ。
合同酒精は日本酒から焼酎から何でも
造っている会社なので、入社すれば選べるなと
思っていたんですけど、最初は医薬品の研究所で
5年ほどお世話になって、その後縁があって移動で
牛久シャトーに来る事になり、まずはビールの醸造、
その後ワインを造るようになった感じですね。

牛久新聞
牛久に来た時の感想は?(何もなかった??)

角井さん
兵庫県から出てきたので、土地にこだわりが無いんですよ。

牛久新聞
田舎だなぁみたいな抵抗感もなく?

角井さん
全然なかったですよ(^_^)

牛久新聞
今回ご自分で事業をはじめるキッカケは、
やはり牛久シャトーが無くなった事ですか?

角井さん
そうですね。醸造が続けられなくなって
他の部署に移る事もできたんですけど、
やはり醸造する仕事で生きていきたいという
思いだったので。

牛久新聞
現在のスタッフは?

角井さん
今は、私と奥さんと、元々牛久シャトーで
一緒に働いていた仲間の3人です。

奥様の章子さん(左)と牛久シャトーから一緒の佐野理恵さん(右)

牛久のワインを知る

牛久新聞
個人的な感想で失礼かもしれませんが、
牛久シャトーのワインの人気があったかといえば
違うと思うんですね。
葡萄を作っていないことも大きな要因かなと。
先ほどのお話でいうと、委託醸造のワインを
販売していたんですか?

角井さん
大きな背景でいうと、明治時代から牛久シャトーは
ワインを造っていたんですね。
太平洋戦争が終わった時に農地解放といって、
農地を小作人に開放したんですね大地主が。
女化も葡萄畑だったんですけど、ほとんどの
葡萄畑を農地解放で牛久シャトーは失ったわけです。
それから、急激に葡萄栽培は行われなくなってしまって、、。
牛久シャトーは1903年に設立されているんですけど、
2003年の100周年の時に、もう一度牛久シャトーで
葡萄を育てようという機運が社内で高まり、
牛久シャトーの裏手にある畑にメルローを800本植えて、
牛久で出来た葡萄で牛久でワインを造ろうといった取組が
始まりました。
そして、2008年から『牛久葡萄酒』という商品名で
牛久産まれのワインを販売していたんですよ。

牛久新聞
800本の苗木から何本のワインが出来るのですか?

角井さん
大体、1000本ぐらいですね。

牛久新聞
年1000本ぐらいは、完全牛久オリジナルワインが
販売されていたんですね。

角井さん
それから僕らが辞める2018年まで、
メルローに加えてマスカットベーリーAという
品種を育てていたんですよ。

牛久新聞
100%牛久シャトーワインかぁ。

角井さん
でも、それだけでは牛久シャトーで販売する
ワインとしては足りないので、国内の他の産地で
造ったワインとか、海外のワインをブレンドした
ものなどを売っていましたね。

牛久新聞
(言いにくいですが。。。)
100%牛久シャトーワインを
求める人は少なかったのでは、、と。
つまり認知度が低かった気がしますが、、。

角井さん
そうですね。
牛久シャトーでしか売っていないという事に加え、
数が圧倒的に少なかったので。

牛久新聞
当時、それを求める方もいらっしゃいました?

角井さん
ご存知の方は、毎年購入されてましたね。

牛久新聞
メルロー、マスカットベーリーAを育てる環境としては、
この牛久の土地・気候は適しているのですか?

角井さん
2000年ぐらいから色んな品種のテストをやっていたんですね。
それこそカベルネソーヴィニヨンとか、ピノノワールとか
世界で考えれらる葡萄のテストをして、成績が良かったのが
メルローとマスカットベーリーAなんですよ。

牛久新聞
なるほど。
角井さんの畑もメルロー中心になるんですかね?

角井さん
黒葡萄は、メルローが中心で、あとはタナ(Tannat)。

牛久新聞
タナ?????

角井さん
タンニンの語源となった葡萄なんですよ。
タンニンがしっかりとしたフランスの品種です。
白葡萄は牛久シャトーではやっていなかった
シャルドネを中心にプチマンサン、アルバリーニョを育てます。

ワインとビールの量り売りが!?

牛久新聞
こんな商品を作りたいとか、こんな味のワインとか、
ワインの造り手として届けたいワインを表現する言葉はありますか?

角井さん
う~ん、難しいですね。。。
あんまり、今ワインに関しては目指しているスタイルは無い。。
無いと言うと違うかもしれませんが、、、。

牛久新聞
今は、ワインも手に取りやすい価格で、
美味しいワインも多いと思うんです。
しかも、美味しいワインってこうだよーという
情報も入手しやすいじゃないですか。
その中で、ワインを造るとなるとどういった顧客を
イメージするのか、もしくは、店舗への卸を専門とするのか、
その辺を知りたくて。

角井さん
実際日本でワインを造ると、値段が高くなりがちなんですよ。
人件費も高いですし苗木も海外の何倍もするんですよ。
元々が高コストなんですね。
ここで真面目に造って売ろうと思うと、
やはり値段は高くなってしまいます。

牛久新聞
ちなみにどれぐらいに?

角井さん
3000円~5000円には最低なりますね。
5000円になるとボルドーのワインも買える価格なんですね。
なので、そういった価格帯のワインもありながら、
1000円台半ばから後半の手に取りやすい価格帯のワインを
作るにはどういったアプローチがあるのか、
今考えているところですね。
スーパーに3桁の値段が付いたワインもあると思うのですが、
あれはどうやっても無理なんですよ。

牛久新聞
3桁ワインはなぜ、あの価格が実現出来るのですか?
薄めてます(笑)??

角井さん
いや、ワインの場合は薄めるは無いですね(笑)。
圧倒的に大規模でやっています。畑も工場も。
海外は葡萄も安く、初期投資にもお金が
かからないですから。
それに、機械化も進んでいるので。
日本でいうと田んぼのイメージですね。
おっきいコンバインが入ってみたいな。

牛久新聞
わかりやすい!!

角井さん
ただその一方で手作業のワイナリーもあって、
そこは住み分けされていますね。
うちはせっかく牛久でやるので、牛久の人達にも手に取り安い
価格帯でやるにはどういったやり方があるか常に考えています。

牛久新聞
楽しみ!!!!!
オリジナルビールはいつ頃??

角井さん
多分、8月末にはオリジナルビールが
飲めるようになると思います。

ビールの仕込み釜
ワインとビールの発酵タンク

牛久新聞
そのビールはどこで飲めますか???

角井さん
飲食店さんをメインに考えていたのですが、
コロナの影響もあって瓶詰めも検討しています。

牛久新聞
“瓶詰めも検討”という事は、
それ以外も?

角井
樽を卸す事を中心に考えています。
ケグっていうんですけど、ビール樽ですね。

牛久新聞
おおおおおおお!
旨そう!!!!

角井さん
あとは、工場の横にお店を作って、そこで量り売り・・

牛久新聞
なんですって???量り売り???

角井さん
はい、量り売りをやろうと思っています。

牛久新聞
最高かよ!!!

角井さん
ワインも量り売りをやります。

牛久新聞
最高すぎ!!!!!!!!しびれる~。
ワインとビールが飲み始められる情報を掴むには
どうしたら良いですか?

角井さん
今はFacebookで情報発信しているので、
そこで確認していただけます。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
麦と葡萄 牛久醸造場 Facebook

牛久新聞
コロナもあってみんなが少し下を向いている感じもあり、
飲食店さんはとても厳しい状況で。。
何か前向きになる情報を発信出来ないかと考えていて、
その時に、牛久醸造場が始まる事を知り今回取材の
申し込みをさせていただきました。
今、伝えたい思いとかありますか?

角井さん
牛久シャトーが閉まったのが2018年末に
なるんですけど、それから一年半ぐらいたって
やっとワインが作れる環境になり、自分達にとっては
スタートラインに立てかなと思っています。
せっかく牛久ってワインの街という感じで
行政含めてやっておられるところがあって、
牛久市民の中になんとなくワインってあると思うんですね。
僕は”そのなんとなく”感がいいと思っているんですよ。
よく、文化になっているとか、根ざしているとか
言いますけど、”なんとなく”な感じ、それこそこそが
根ざしている事だと僕は思うんです。
なのでそこに沿ったような形の商品が作れたらと思います。
牛久シャトーの時もギフト、お中元、お歳暮で
ワイン・ビールのご注文を沢山頂いていたんですよ。
地元の名産を人にあげようと思ってくださる訳じゃないですか。
なので、そういった商品が僕達が作る事が出来ればと思います。

牛久新聞
牛久醸造場のお酒が飲める牛久の飲食店が
増えることも期待しています。

角井さん
そうですね。
酒屋さんからもお声がけいただきますし、
相談させていただきながらと考えています。
地元で飲めた方がいいと思うので。


おじさんが麦茶の入れ物に量り売りの
ビールを入れて買って帰る、といった光景を
他の醸造場で見かけた事があると
角井さんはお話してくれた。
牛久の街でもそんな光景が当たり前になって、
牛久醸造場が人を繋ぐ場になる事を想像すると
楽しみで仕方がない。

この記事を書いている、6月20日に
牛久シャトーが一年半ぶりに再開した。
これからはじまる街の新たな一歩に期待して、
牛久新聞は閉局いたします。
短い間でしたが、街の皆様ありがとうございました!

牛久シャトーの再開、そして、牛久醸造場のはじまり。
最後に素敵なニュースに出会えて最高でした(^^)

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麦と葡萄 牛久醸造場
茨城県牛久市牛久町531-3 1F
090-9801-9195
※店舗営業時間 12:00〜18:00 (7月は金・土・日営業)

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